「精神障害者手帳」を持っていると「欠格条項」にひっかかり、普通車免許がとれない…そんな情報が某掲示板に書き込まれていたのを読んで、「え、そんな…それは困った。でも、そんなことってあるのかな」と思い、調べてみました。
まず、「手帳」について。
私はずっと混乱していたのですが、「手帳」には、次のような種類があります。
| 名称 | 特徴・対象 | 窓口 |
| ■障害者手帳 | 都道府県がそれぞれ定めた制度による。そのため、地域によって、内容が異なる。 | |
| ●身体障害者手帳 | 対象 (神奈川県の場合):
知事の指定した医師により、視覚、聴覚、平衡機能、音声言語機能、そしゃく機能、肢体、心臓機能、腎臓機能、呼吸器機能、膀胱または直腸機能、小腸機能、免疫機能に永続する障害があると診断された人 |
最寄の役場 |
| ●療育手帳 | 対象 (神奈川県の場合):
18才未満は児童相談所、18才以上は知的障害者更生相談所において知的に障害があると判定された人
※知能指数が境界線級のため従来手帳交付の対象とならなかった自閉症児者についても、2001年4月からは、精神科の医師の自閉症であるという診断書があり、県域の児童相談所または神奈川県総合療育相談センターの長が必要と認めた場合は「軽度区分(B2)」に判定(神奈川県の場合) | 最寄の役場 |
| ■精神障害者福祉手帳 | 「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」に基づく。(つまり、「国」の制度。)
対象:
精神科領域の病気があり、日常生活や社会生活に制約がある人ならば、年齢、病名は問わない。また、入院、外来の区別も問わない。
手帳の内部に、病名や病院名が記載されない。←知らなかった! |
最寄の役場 |
※上記の表は、以下のサイトを参考にして作成しました。
- ・障害者手帳
- http://www.02.246.ne.jp/~i-pocket/puti4-6-2.html
- ・精神障害者福祉手帳
- http://www.horinouchi.or.jp/kintaro/techou.htm
- http://www.med.net-kochi.gr.jp/seishin/horitsu3.html
で、アスペルガー症候群や高機能自閉症の人(やその親)がもらいたい「手帳」は、「療育手帳」なのですが、知能が高くてもらえないケースが多い、らしい(神奈川県は例外的)。
自治体によっては、知能が高いことを理由に「精神障害者福祉手帳」が支給されることもある、らしい。
次に、「欠格条項」について。
実は、道路交通法の改正(今年、2002年6月)に伴い、法律からは「欠格条項」はなくなります。
だったら、OK!かというと、そんな簡単なことではないらしい。
下記の新聞記事がわかりやすかったので、引用させていただきます。
★引用開始★
病者へきめ細かい配慮を 運転免許(社説)2002.01.13 朝日新聞東京朝刊
「警察庁は、6月に迫った改正道路交通法の施行を前に、道交法施行令と施行規則の改正試案を公表し、17日まで一般から意見を募集している。
今回の道交法改正は、悪質な運転者への処分強化とともに、障害者の社会参加の観点から、特定の病気や障害を持つ人に免許を与えるかどうかの基準を変えるものだ。
現行の道交法は、「精神病者、知的障害者、てんかん病者、目が見えない者、耳が聞こえない者または口がきけない者、政令で定める身体の障害のある者」には免許を与えないとしていた。
しかし、こうした人たちが、一律に安全な運転ができないというわけではない。改正道交法ではこの条項はなくなる。その代わり、免許を与えない場合の条件を政令で定めることにした。
警察庁は昨年9月、政令の改正素案を公表して意見募集をした。学会や患者団体からも意見を聴いた。改正試案はそれらを踏まえたもので、全体にずさんだった素案に比べかなり改善された。」
★引用終了★
ということで、この件についてのいろんな意見・異議申し立てが、つい最近までホットに行われていたようなのですが、私は何にも知らなかった(新聞とってないし…)
私が知らなかっただけで、自閉症関係の方々も意見を出されたのでしょうか?
新聞記事をもう一つ。
★引用開始★
道交法改正で門戸開くはずが…*「運転免許失うかも」戸惑う精神障害者*症状によって更新拒否も 2002.02.08 北海道新聞朝刊全道
「 改正道路交通法が六月から施行され、これまで運転免許の取得を認められなかった精神障害者らにもようやく門戸が開かれる。しかし、既に免許を取得した精神障害者らの中には、逆に失う恐れも出てくるため、当事者には戸惑いや怒りも広がっている。
現道交法は「目が見えないもの、耳が聞こえないもの、精神病者には免許を与えない」としている。改正法はこの条項を削除し、あらためて病気や障害によっては「免許を与えないか保留することがある」と定めた。
これに関して、同法と六日に公布された同法施行令は、精神分裂病、てんかん、低血糖症などの人には、病気や障害の程度に応じて免許取得や更新を拒否できると定め、必要に応じて適性検査を義務付けた。また、症状の申告も求める方針だ。
例えば、精神分裂病は、幻覚などで安全運転に支障をきたすと医師が判断した場合、糖尿病など低血糖症は、意識障害の前兆を自覚しないまま同障害に陥る場合は、それぞれ拒否や取消しの対象になる。
これについて札幌市内に住む四十代の精神分裂病の男性は「自分たちを運転から排除するものだ」と反発する。この男性は免許を取得し、約二十年にわたって運転してきた。「症状は変動するので、不安なときは運転を控えている。発症しない保証を医師に求めるのは無理」と警察庁の姿勢に疑問を投げかける。
十月に札幌で開かれる障害者インターナショナル(DPI)世界会議でも障害者に対する法律上の差別は大きなテーマだ。DPI日本会議とともに活動を展開する「障害者欠格条項をなくす会」の臼井久実子事務局長は「運転免許の制限は、通院や就職などにかかわり社会参加を促進するという政府の見直しの趣旨に逆行する」と批判する。
一方、一般市民の間には精神障害者らがハンドルを握ることに抵抗感を抱く人も少なくない。札幌市内の主婦(44)は「車は人の命を奪う凶器にもなるのだから、運転免許は慎重に扱ってほしい。事故を起こした場合、きちんと責任を取れるのかも不安」と話している。」
★引用終了★
というわけで、「手帳」を持っている・いないには関係なく、政令の中身や運用のしかたによっては、今まで何事もなく運転できていた人も免許をとれなくなる恐れもあり、どんな結果になるか心配です(おっと、他人事じゃありません。精神科受診暦が1度でもある人なんて、たくさんいるはずです。ひょっとしてそんなことまでチェックされることにでもなったら…)。
交通手段がない田舎では、車の運転ができないと、冗談じゃなく死活問題となります。
というわけで、しばらくは警察庁のサイトから目が離せません。
■現時点での、ご意見集計結果(警察庁発表)↓
http://www.npa.go.jp/comment/result/koutsuukikaku/syukei.htm
なお、「欠格条項」については、以下のサイトが詳しいです。
- 障害者欠格条項のページ
http://homepage2.nifty.com/ganesh/joko.html
それにしても、今の今までこんな問題があることを知らなかった自分が恥ずかしい…
(2002.02.24)